みるく離婚して干支が一周したってよ

もうV6しか信じられない。と思いながら離婚して12年経ちました。歳をとるのが楽しいと思えるようになりたいな。

BRAND NEW DAY, BRAND NEW LIFE

V6以前、トシちゃん以前

私はトシちゃんからダイレクトに岡田くんのファンになって、やがてV6のファンになった…というような事を前に書いたのだけど、トシちゃん以前はどうだったのか考えてみた。
フォーリーブスは、私にはまだ早過ぎたみたいで、あんまり記憶がない。確かに4人とも知ってはいるけど、実際に踊って歌ってるのをちゃんと見たことがあるかと聞かれると、分からない。
後々後輩たちによって歌い継がれる「ブルドッグ」も、「元々はこんな感じでフォーリーブスが歌ってたんですよ」みたいなVTRで見た記憶と、実際に見たかもしれない記憶が曖昧で分からない。
確か私は4人の中では青山たかしが好きだった気がする。↓青い衣装の人ね。

で、今ちょっとWikipediaをチェックしてきたけど、北公次(紫の衣装)は元々はジャニーズの付き人だったらしい。
彼の印象は犬神家の一族で、俳優のイメージが強かった。
江木俊夫(赤の衣装)は大魔神じゃなくて何だっけ?特撮モノや大映映画で子役から活躍してたんだよね。だからこの人も俳優のイメージ。フォーリブスでは1番可愛くて人気があったような気がする。(あくまでも子供の記憶)
おりも政夫(黄色い衣装)も劇団若草というところからジャニーズに入ったらしくて、子役とかもやってたのかな?この人は芸能人の水泳大会とかの司会者というイメージが強い。たのきんが全盛期の頃はもう既にそのポジションだった。中居くんやイノッチよりはるか昔に、司会者というポジションを得た先駆者だったんだね。昔だからせいぜいバラエティ番組の進行役くらいしかやれなくて、今みたいにニュース番組のキャスターみたいのをアイドルがやるなんて考えられない時代だったけど。
そして青山たかしはなんとスクールメイツ出身だったらしい。私の愛してやまないキャンディーズと同じ。つまり一番踊りの素養があったかもしれない人だったんだよね。やっぱり昔から、私は「踊れるアイドル」が好きなんだ。
でもその後は俳優になって、テレビでは踊る姿は見られなかったけど、私が生まれて初めて生で観たミュージカル「マイフェアレディ」に、栗原小巻(!)や宝田明(!)や益田喜頓(!)と共にフレディ役で出演されてた。そう思うと坂本くんよりはるか昔に、私の「生ジャニーズ遭遇」がミュージカルから始まってたのは感慨深い(笑)

だけど私がトシちゃん以前に好きだったジャニーズと言えるほどフォーリーブスのことは知らないし、上記の通りむしろ4人で活躍しなくなってからの個々の姿しか印象にない。

郷ひろみは私が小学生の頃が全盛期だったし、「マイレディ」とか「若さのカタルシス」とか「ハリウッドスキャンダル」とかのお気に入りの曲を歌ってた時はカッコいいとも思ったし、何より「ムー」シリーズは楽しみでいつも観てた。でも特に好きでもなかったんだよね。御三家では西城秀樹だった。

やっぱりトシちゃん以前に好きだったジャニーズなんて…と思いかけて思い出した。
いたいた、川崎麻世

麻世というアイドル

なんか彼はそれまでの男性アイドルとは違ってた。
あいざき進也も江木俊夫郷ひろみ太川陽介も、人気のあった男性アイドルはタレ目とか天パーとか(笑)丸いイメージで、唯一西城秀樹だけは丸というより直線、川崎麻世直線のイメージだった。
同じ直線でも西城秀樹は圧倒的に明るいイメージだったのに対して川崎麻世にはどことなく影があってクールな印象だった。
眼差しが強くて綺麗な顔立ち。声も素敵だし手足が長くてスタイルがいい。
子供の私からしたら完璧なアイドルで、まるで王子様みたいと思ってた。

かと言って当時の地方の小学生ではアイドルの愛で方も分からず応援の仕様もなくて、ただテレビで歌う姿を見ては「カッコいい〜」と密かにつぶやく程度だった。
私が不思議と惹かれた彼の影の部分は、当時不良が読むいかがわしい雑誌と言われてた「平凡」と「明星」を妹が密かに(たぶん妹は金八で人気が出始めたたのきん目当てで) 買ってきて、その記事を読んで明らかになる。

そのグラビアは今でもはっきり記憶に残ってる。
麻世が泣いていたんだ
強い眼差しでカメラを睨みつけるようにして、ニコリともせず、その頬には零れ落ちたばかりの涙があった。
暗めの照明で影から浮かび上がるようなバストアップの写真で、燃えた紙を手にしていた。
記事の内容も衝撃的だった。
確か、麻世は母子家庭で育ち父親は亡くなったと聞かされてたんだけど実は生きてて、麻世が有名になったことでその父親から手紙がきた…みたいな内容だった。
当時、母子家庭で育ったアイドルなんて珍しくもない…というより裕福で両親が仲のいい幸せな家庭ですくすく育ったみたいなアイドルの方が皆無だった気がする。いや、たぶんそういう人もいたんだろうけど、当時の風潮としては可哀想な生い立ちとかの方がウケたんだよね、たぶん。
唯一三浦友和だけは育ちの良さみたいなイメージがあったけど。
麻世はその父親からの手紙に戸惑い傷付いていた。
父親に会いたいと言われたけど、会わない決意をしたみたいな内容だったと思う。ゴメンなさい、読んだ時が小学生で、グラビアのインパクトが強すぎてそれもうろ憶えだけど。
確かなことは、小学生でも分かる…グラビアで燃やしてる紙はお父さんからの手紙そのものじゃなくただの演出で、この告白を強調するために作られた写真だってこと。
芸能界ってこんな酷いことするんだな、と子供心にも腹が立った気がする。より可哀想と思わせたいんだろうけど。
そして私も母子家庭で育ったので「死んだはずの父親が生きてた」という事がどんなに彼を驚かせたかという方に興味があって、まんまと「麻世、可哀想!」とはならなかった。

死んだはずの父親が生きてたなんて、父親を幼い頃に亡くした子供にとっては一度は夢みたストーリーじゃないだろうか。
私も何度も妄想した。
小公女セイラみたいに(あれは厳密には父親が生きてた訳じゃなく、父親の友人みたいな人だったけど) 誰かが私をずっと見ていてくれて…私を無条件で愛してくれる誰かが、私を今の世界から救い出して幸せにしてくれるんじゃないか…なんて少女なら誰でも夢見るような「いつか王子様が」というハッピーエンディングに、母子家庭育ちならではの「生きていた父親」要素が加わって、より一層強く願うストーリー。
もちろん私はセイラみたいに不幸のどん底にいた訳ではないけど、多感な少女にとって(周りの子には無意識に当たり前に存在する)「無条件に自分を愛してくれる男性」という存在がどんなに羨ましくて熱望したことか。

だけど少年にとってはどうなんだろう?
父親の存在は、やっぱり少女とは違うのかな?
なんとなくモヤモヤしたのは、麻世の父親が麻世が有名になった後に名乗り出てること。よく漫画やドラマではある事だけど、そこには金銭的な問題とかが絡んでる気がして子供心にも少し嫌な感じはしたんだよね。
でもそれ以上に麻世は嬉しくなかったのかな?とも思った。
グラビアや記事はたぶん事務所の演出で父親とはキッパリ縁を切るみたいに印象付けてるけど、本音ではやっぱり少しは嬉しい気持ちもあるんじゃないのかな?とか、いろいろ考えた。
少年なら、父親とキャッチボールしたり一緒にお酒を飲んだり…一度は憧れただろうし。

父親のいない男性は、父親のいる男性とどこら辺で違うのだろう?全く違わないはずがないよね。
男子にとって父親は一番身近な同性で良くも悪くもその存在感は大きい気がする。反面教師にする人もいるだろうし、憧れて尊敬する人もいるだろうし。
でも幼い時からその存在無しで育つ男の子は、何か違ってくるのかな?
麻世はその後ジャニーズを辞め、外国人の女性と結婚して幸せな家庭を築こうとしたけど、テレビで見る限りではあんまりうまくはいってないみたいだ。
でもどうなんだろう、本当は幸せなのかな?
ちゃんと父親してるのかな?
麻世の子供さんたちがパパのこと大好きだといいな。きっとそういう父親に人一倍なりたかったと思うから。父として無条件で子供たちを愛してると思うよ。…とか言ってたらこんなアルバム出してるんですね(笑)

無条件

無条件


トシちゃんのお父さん


そして、トシちゃんもお父さんがいない子だった。
ただトシちゃんのお父さんが亡くなったのはトシちゃんが小学生の頃だったらしいから、お父さんの記憶は麻世や私よりはあったと思う。
キャッチボールもやったんじゃないかな?
兄妹は女の子ばかりの中の男の子だし、可愛がられただろうね。
お父さんは最期に「田原家の男はお前だけなんだからお母さんやお姉さん達を頼む」みたいな事を言い残して亡くなった…という話を当時の雑誌のインタビューなどでよく目にした。
だからトシちゃんは早くから芸能界入りを決意して、ジャニーさんに直談判して事務所に入り、山梨の高校に通いながら週末は東京に出てレッスンに励んでいたそうだ。

トシちゃんも、デビューしてからは底抜けに明るいキャラではあったけど、ドラマや映画でふと見せる伏し目がちの表情がドキッとするくらい寂しげだったりした。
影がある…という程じゃないけど、金八の時も少し哀愁が漂う雰囲気があって、だからデビュー曲が「哀愁でいと」だったのかな?と今にして思う。

やっぱりトシちゃんはカッコいいし男らしい。
昔からブレない。言い訳しない。
家族ができた時、トシちゃんは全力で守ろうとした。その結果「傲慢」だとか「調子に乗ってる」みたいに叩かれて、しばらくテレビからその姿を消してしまったけど。トシちゃんはちゃんと復活した。
努力を見せないけど、すごい努力の人だと思う。

さて、その後のジャニーズの事はあんまり知らない。世代的には少年隊のデビューくらいがギリギリ「アイドルへの興味」がある年齢だった。
光GENJIが大人気だった頃も全く興味がなくて、SMAPが密かに(笑)デビューした頃はとりあえず仕事が忙し過ぎて、グループの名前は知ってても何人組なのかもよく知らなかった。
だいたい、ジャニーズはもうソロアーティストを出すつもりはないのかな?と少し淋しく感じてた。
グループ活動がメインだと好きなメンバーが活躍し辛いんじゃないかとか、グループ愛みたいなのがよく分からなかったし。

V6における父親の存在と不在


そしてV6
私が一目惚れした少年オカダも、父親のいない子だった。死別ではないが両親が離婚して父親は出て行き、母子家庭で育ったらしい。
そんな経歴はすぐには知らなくて、数年経ってから知った。その頃にはデビューした頃の黒髪の紅顔の美少年は何処へやら……垢抜けて金髪でガリガリに痩せた鋭いナイフみたいな少年に成長していた。
剛くんや健くんも、デビューした頃の面影はなく一言で言えばチャラくなってた

カミセンを一つのグループととらえると、ジャニーズ史上こんなに数年でメンバー全員がチャラくなったグループは無かった気がする。
1グループの中にそうなる人がいても、他のメンバーがバランスをとってたし。
そこがすごい新しい時代のグループだと感じた。
昔のアイドルに求められた「品行方正」みたいなイメージより、流行の最先端、個性的、ファッションリーダー的なイメージを優先するんだなと思った。
トニセンもバランスをとるという意味では全く逆で「合わせてチャラくなってる〜(笑)」状態だったがそれは見た目だけで、その存在自体が落ち着いてて安定感があったので、かろうじてグループ全体がチャラいとか破天荒とかいう感じはしなかった。

カミセンが、役作りでもないのに眉を細くしたり自分の好きなアクセサリーを身に付けてテレビに出られるのも、トニセンの存在が大きかった気がする。
トニセンが(たとえ見た目はチャラくなってても)ちゃんと「品行方正」でいてくれたからカミセンはある程度自由にできたんだと思う。

そんな「いいお兄ちゃん」トニセンの3人はいい意味ですごい「普通の家庭」で育ってる。
坂本くんは八百屋さんの三男坊、長野くんは自転車屋さんの末っ子、イノッチも両親揃った4人兄弟の家庭で育ってる。
トニセンのラジオ番組「ネクストジェネレーション」とかでたまに家族の事を話題にする際に感じられるのは、3人とも両親に可愛がられて兄弟仲も良く幸せな家庭で育ってるらしいという事だ。
舞台やコンサートには必ず家族が観に来るらしいし、坂本くんの実家のお店の壁は坂本くんのポスターだらけらしい。
いかにも真っ当な、きちんとした家庭で育ってきた雰囲気を3人ともが漂わせている。
たぶん、そこがトニセンの魅力だと思う。

それに対して、カミセンには父親の存在感が薄い
岡田くん以外の2人の生い立ちには詳しくないから、あんまりよく知らないだけかもしれないけど、
剛くんの母上は何かとお騒がせな感じでよく話題に登るが、父上の話しはデビューした直後に「デビューしたからには天辺を目指せ」というような事を父親に言われたと剛くん自身が何かに答えて発言してたらしい…くらいしかエピソードが出てこない。
健くんに至っては父親を幼くして亡くして母子家庭で育って、新聞配達などをして家計を助けていたみたいな、一時代前のアイドルの生い立ちのようなエピソードが出回ってる。
剛くんに関しては私的には不明だけど、健くんと岡田くんが母子家庭で育ったのは間違いないみたい。

昨今のアイドルや若い俳優さんは、家族と仲がいい話をトーク番組などで平気で話すようになった。
私的には上戸彩妻夫木聡あたりからだった気がする。いかに家族が仲良いか、何でも話せて友達みたいか、トーク番組で話す人達に変な違和感があった。
多分、私にはアイドルとか女優俳優になる人達は「選ばれた人」であって欲しいという願望?があるからなんだと思う。選ばれた以上はそこで命を燃やして、上を上を目指して欲しい。そこには逃げ道などなく、常に崖っぷちで、帰る場所など無く、自分の存在する居場所はあたかもステージの上( もしくはフイルムの中) だけですみたいな顔をして、儚くも力強く輝いてて欲しい。それはアイドルに個人の普通の幸せなど許さない酷い願望だ。けど「そうであって欲しい」という…もっと言えば「そうだと思わせていて欲しい」というくらいの個人的なちょっとした願望だから許して頂きたい。別にそうでなくても違和感くらいしか無いし。妻夫木くんは好きだよ。
ただ後戻りできない気持ちは持ってて欲しいんだよね。
そういえば確かに聖子ちゃんも、ちゃんとした家庭で可愛がられて育ってる。でもデビューする前に頑固なお父さんの反対にあって、一年以上説得してやっと許してもらったようなエピソードを語ってた気がするから、そこは最近のアイドルとは少し違う。頑固親父の存在は大きい。父親の不在と同じくらい大きい。
息子がデビューして一緒に喜んでくれて応援してくれる父親とは存在感が違う。

父親の不在は、父親の存在感を増す
いない事で余計に、想像で補えば補うほど、思い出が少なければ少ないほど、その存在感は大きくなっていく。

カミセンにとって父親ってどんな存在なんだろうな。カミセンが、見た目的には来るべき新世紀を体現する新しいアイドルだったのに、昔からのアイドルみたいに父親の存在感が感じられない複雑な生い立ちを抱えてそうな一種の影を背負ってるのが何となく興味深い。

それに対して、ダンスの系譜なども伝統的なジャニーズの遺伝子を受け継いでいるようなトニセンが、生い立ち的には一点の曇りもなく、最近のアイドルみたいに家族の話題をためらう事なく大っぴらに笑い話にしてるのも、何だか面白い。
V6って本当にバランスのとれたグループだなと思う。

カミセンの教育係だったリーダーが実は3人兄弟の末っ子で、「まーくん」と呼ばれて可愛がられていたことも、
一番見た目は甘えん坊な健くんが長男で、家計を助けていたことも、
年齢の順番も含めて、うまい具合に作用しあってバランスが取れているんだろうね。
幼い頃の少年オカダは、坂本くんに少し父親の姿を重ねてたのかもしれない。
V6が歌う、第2の人生を歩み始める父親に語りかける曲「BRAND NEW DAY, BRAND NEW LIFE」はそう思って聴くと感慨深いよね(笑)


ま、V6には私の好きだった麻世もトシちゃんも全部が含まれてるってことかな?←強引だな(笑)
前々からカミセンにおける父親の存在についてはもやっと思うところがあったので勢い文章にしてみたけど、こんな事を考えてしまうのは、誰でもない私自身が父親の不在をずっと意識して育ってきたからなんだろうな、と思いました。

カミセンの生い立ちについては、エッセイを出してる岡田くん以外の2人については真偽は分かりません。実は立派な父上が存在してて毎回息子の舞台鑑賞してたりしたらゴメンなさい。

でもフォーリーブスやトシちゃんの頃から、ジャニーさんはみんなの父親的存在としても機能してるのかもしれないし、男子しかいない世界では先輩の存在がもう父親的役割も果たし出してるのかもね。
先日のFNS音楽祭でのV6メドレーで、親子でもおかしくない年齢差の後輩たちと仲良く歌ってるトニセンを見てしみじみ感じたよ(笑)